地震や台風などの災害が起こると、普段の生活が一変してしまう可能性があります。戸建てでは自宅での在宅避難を選ぶケースも多く、事前の備えが安心につながります。この記事では、在宅避難のメリットや判断基準、そして自宅で安全かつ快適に過ごすために必要な備蓄や防災アイテムをわかりやすく解説します。
在宅避難とは？
在宅避難とは、地震や台風などの災害時に自宅が倒壊や火災などの大きな被害を受けておらず、安全に生活を続けられる場合に避難所へ行かず自宅で避難生活を送ることを指します。これまで避難とは避難所に行くことと考えられてきましたが、在宅避難は混雑した避難所での感染症リスクやプライバシーの問題を避けられるほか、ペットがいる家庭や高齢者・小さな子どもがいる家庭にとっても慣れた環境で安心して過ごせるという大きなメリットがあります。一方で、自宅の安全性やライフラインの復旧見込み、周囲の環境などを冷静に判断することが前提です。判断の基準としては、まず建物の構造や損傷状況を確認し、壁や屋根、基礎にひび割れや傾きがある場合は在宅避難は避けるべきです。停電や断水、ガス停止が長期化しそうな場合や二次災害のリスクが高い地域にある場合も避難所への移動を検討します。
さらに、情報の入手手段が確保できるかどうかや近隣の状況や救助体制が把握できるかも重要な判断要素です。在宅避難を選ぶ場合は飲料水や非常食、簡易トイレ、防寒用品などを備蓄し、数日間は外部からの支援がなくても生活できるよう準備しておくことが大切です。
このように在宅避難は災害時の安全確保のための新しい選択肢のひとつであり、自宅の状況を正しく見極め、必要な備えを整えることによって大切な命と生活のどちらも守ることができます。
在宅避難に必要なもの
災害時に避難所へ行かず自宅で避難生活を送る「在宅避難」を選択する際、次のような備えが必要です。飲料水や非常食
災害時には水道やスーパーが使えない可能性があります。1人1日あたり3リットルを目安に、数日分の飲料水を確保しましょう。非常食は、缶詰、レトルト食品、加熱不要の保存食が便利です。子どもや高齢者がいる家庭では、消化のしやすさや栄養バランスにも配慮します。飲料水と非常食を十分に備蓄しておくことで安心して自宅で過ごすことができます。簡易トイレ・衛生用品
停電や断水時にはトイレが使えなくなることがあります。簡易トイレや凝固剤のほか、消毒液やウェットティッシュを備えておくと衛生を保つことができます。また、ゴミ袋やマスク、手指消毒剤も揃えておくと感染症対策にもなります。災害時に衛生環境が確保されているかどうかは健康維持に直結するため、日頃から必要な用品をまとめて準備しておくことが大切です。照明・通信手段
停電時でも生活や情報収集ができるように、懐中電灯、ランタン、予備の電池、モバイルバッテリーを用意しましょう。スマートフォンやラジオを使って災害情報を入手できる体制を整えておくことも重要です。通信手段が確保できれば家族との連絡や救助依頼もスムーズに行えます。情報不足は不安や二次被害につながるため、十分な準備が必要です。防寒・防暑対策用品
季節に応じた防寒・防暑用品を揃えておくことで快適な避難生活を送ることができます。冬は毛布、寝袋、簡易マットを準備し、暖房が使えない場合に備えます。夏は扇風機や冷却シート、冷感タオルなどを用意して熱中症を防ぎます。また、着替えや靴下なども複数日分用意しておくと衛生を保ちながら生活できます。医薬品・救急用品
常備薬、絆創膏、消毒薬、包帯、体温計などをまとめた救急セットを用意しておくと安心です。災害時には病院が混雑したり、薬が入手できない可能性があります。日常的に服用している薬やアレルギー対応の薬も忘れずに備え、応急処置の方法を家族で確認しておくことが大切です。災害用浄水器
災害時にもっとも重要なのは、安全な飲料水の確保です。災害用浄水器を備えておくことで水道水が汚染されても泥や細菌、ウイルスなどを取り除き、即座に飲用可能な水を確保できます。電源がなくても浄水が作れる手動ポンプタイプや短時間で多量の浄水を作れる電動タイプなどがあり、用途に合わせて選べるのも嬉しいポイントです。停電や断水が長引いても自宅で安全な水を得られるため避難所に急ぐ必要がなく、混雑や感染症リスクを避けながら在宅避難を継続できます。フィルター交換やメンテナンスが簡単な製品を選べば長期間の使用が可能で、経済的にも負担を抑えられる重要なアイテムです。
在宅避難を快適にする工夫
在宅避難では、快適さを工夫することが生活の安心につながります。寝る場所には毛布や寝袋、簡易マットを用意し、室温に応じて防寒・防暑対策を行います。照明やモバイルバッテリーを確保し、スマートフォンやラジオで情報収集や連絡手段を維持することも重要です。食事や水分補給は非常食や備蓄水を計画的に利用し、整理整頓や換気で清潔な環境を保つことで、ストレスを減らし安全に過ごせます。家族全員が安心できる工夫を事前に考えておくことが大切です。
